先々週あたりから不穏な動きをみせていたインフルエンザの感染状況ですが、やはり急激な勢いで感染者数が増えています。
インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスは今5類感染症なので全数把握(すべての医療機関が診断したら診断数を報告すること)ではありません。定点観測と言って、選定された一部の医療機関での診断数をカウントして、全体の感染状況を予測します。その停店当たりの報告数が東京は2倍近くになっています。
昨年の報告数がグレーのグラフですが、昨年と比較しても異常な報告件数です。
人の動きが活発になったて医療機関にアクセスしやすくなったことや、新型コロナ感染症の影響で発熱があればすぐ医療機関にいくという意識が根付いたことなども影響していると思いますが、すこし異常な状況です。これからさらに流行が本格化することが予想されますので早めにインフルエンザのワクチン接種、できれば2回の接種を行うようにしましょう。例年GWくらいまで流行が見られますので今から1回目の接種を行い、年明けにもう1回うつとベストだと考えます。
今咳止めなどの薬が出荷調整でなかなか手に入らない状況が続いています。インフルエンザは比較的咳などの上気道炎症状が少ない感染症ではありますが、それでも症状が辛い人もいます。熱や全身の倦怠感だけでもかなり辛い感染症なので少しでも軽症化、罹患リスクを下げるワクチンを接種しておいた方が良いでしょう。
インフルエンザも人にうつしやすい感染症です。罹患したら仕事や学校やは休んで人との接触は避けてください。
なお、インフルエンザの薬であるタミフル、リレンザなどの薬はまだ入手可能な状況です。罹病期間の短縮につながりますので診断されたら使うほうが良いでしょう。
当院でもインフルエンザの抗原検査キットをそろえて準備を整えています。
高熱、全身倦怠感、関節痛などの症状が出る場合にはかなりインフルエンザ罹患が疑わしいので、検査についてご横断ください。
新宿内科 院長 絹川 千尋
公益財団法人日本産業衛生学会 指導医
一般社団法人 社会医学系専門医協会 指導医
日本抗加齢医学会 評議員
産業保健法法務主任者
産業医科大学 産業生体科学研究所 産業保健経営学 非常勤講師