昨日新型コロナウイルス感染症について東京都保健医療局が最新の統計データを発表しました。
東京都保健医療局HP
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kansen/corona_portal/info/monitoring.html
当院でもコロナ感染症の患者さんが少し減りましたが、やはり東京と全体としても減少傾向にあるようです。まだ減りだして1週間なので明確なことは言えませんが、、、
コロナウイルスではまた変異株が話題となってきています。新たな変異株BA.2.86(通称ピロラ)が話題になっていますが、今はまだ感染者の多くがEG.5(通称エリス)です。罹患してもまた別の株には罹患するので、ピロラが増えてくると、一旦感染状況が落ち着いてきてもまた流行が見られるようになるでしょう。
また、例年より今の時期にしてはインフルエンザの患者さんが多い印象です。例年であればまだこの時期がインフルエンザの患者さんはあまり見られませんでした。東京都の報告をみても患者さんが急に増えています。
東京都インフルエンザ情報
東京都感染症情報センターHPよりhttps://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/flu/flu/
昨シーズンはインフルエンザが大流行すると言われていましたが、実際にはそこまでの感染爆発は見られず、だらだらと感染者が散見する状況が長く続きました。そのため、医療現場でもいつまでもインフルエンザの検査を継続することとなり、その結果、夏も検査をするようになったために今まで見落とされていた夏のインフルエンザ患者が拾われるようになったという見方もあります。実際に例年より多いとはいってもそこまで問題となるような状況ではありませんでした。ただ、定点観測の結果をみますと、これから流行する可能性があります。
インフルエンザの場合、治療薬があり、薬を使用すると症状の続く期間を短くすることができます。感染症による発熱などの症状は様々な病原菌・ウイルスが原因でありますが、検査をして、陽性でも陰性でも治療が変わらないのであれば無駄な検査はする必要がありませんが、インフルエンザと判明すれば薬をつかえるので、インフルエンザの検査には意義があります。また、感染力も他の病原菌・ウイルスと比べて強い傾向にありますので、検査をすることで他人との接触について注意するきっかけになると思います。
また、インフルエンザにはワクチンがあり、一定の効果が見られます。当院でも来週よりインフルエンザワクチンを開始します。ご希望の方は当HPトップページのリンクよりご予約をお願いいたします。
新宿内科HP:https://shinjuku-naika.jp/
なお、検査は抗原検査ですので結果判定まで10分程度です。
内服薬はゾフルーザ、タミフル、吸入薬はイナビル、リレンザという薬があります。いずれも保険適用の薬で、検査陽性となれば使用することができます。(点滴もありますがクリニックでは使いません。)
咳や鼻水などの上気道炎症状はあまり強くなく、それよりも高熱、関節痛、激しい倦怠感などが特徴です。絶対ではありませんが、症状である程度の予想は尽きますので怪しいなと思ったらコロナだけでなくインフルエンザの検査も検討するようにしましょう。
新宿内科 院長 絹川 千尋
公益財団法人日本産業衛生学会 指導医
一般社団法人 社会医学系専門医協会 指導医
日本抗加齢医学会 評議員
産業保健法法務主任者
産業医科大学 産業生体科学研究所 産業保健経営学 非常勤講師