当院でも花粉症の処方を希望される患者さんの来院が増えてきました。
花粉症は日本人の約4割が罹患していると言われています。おもに暖かくなってきて日産するスギ花粉によるアレルギー症状を花粉症と呼んでいます。
ただ、アレルギーの原因はスギ花粉だけではありません。ぶたくさやかもがやなどの植物、さばやカニなどの食物、金属やゴムなどの接触アレルギー、光アレルギー、薬剤、、、、様々なものがアレルギー要因となります。
主に血液検査によってアレルギーの程度を見ることができます。すべてを網羅するのは難しいので問診によってある程度の予想を立てて検査をします。また、一般的に多いとされている36項目のアレルギー検査が同時にできる検査もあります。(MAST36)
検査は採血で行い、結果は1週間程度で出ます。
原因が何であれ治療薬は変わらず、症状をもとに治療薬の選定を行います。
点鼻薬や点眼薬のような局所用の薬は即効性があり、副反応も少ないためお勧めです。皮膚のかゆみなど全身の症状があるような場合には内服薬が良いでしょう。
また、症状の強い方は併用します。
あまりに症状がひどい場合にはステロイド含有薬を使用することもありますが、副作用が強いため長期的な使用はお勧めできません。
同じ鼻の症状でも鼻づまりに効きやすい薬、鼻水に効きやすい薬、など薬の効果には差があります。一般的に抗アレルギー薬は眠くなるものが多いですが、最近では眠くなりにくい薬や逆に目が冴える薬も出てきていますので、眠気がつらい場合には相談してください。
アレルギーは世界中でも罹患者が多い病気のため、日々新しい薬が開発されています。花粉症は未治療の場合には治療をしている人と比べて生産性が10%低下すると言われています。生産性が低下するほどの症状ですと日常生活もかなり辛くなりますので、症状も副作用も我慢せずに積極的に相談をするようにしてください。あなたの生活と体質に合った薬をいろいろと試してみましょう。
新宿内科 院長 絹川 千尋
公益財団法人日本産業衛生学会 指導医
一般社団法人 社会医学系専門医協会 指導医
日本抗加齢医学会 評議員
産業保健法法務主任者
産業医科大学 産業生体科学研究所 産業保健経営学 非常勤講師