発熱の原因となる感染症の原因となる細菌やウイルスには様々な種類があります。よく注目されるインフルエンザ、新型コロナウイルス以外にも数百種類以上のウイルスや病原菌が原因となり得ます。 しかし、一般的に言われる「風邪」については病原の特定を行うことはあまり推奨されません。病原に対する治療がないためです。 エイズやヘルペスなど、治療薬のあるウイルスであれば特定して治療薬をにつなげられますが、特定の治療薬がない感染症ですと原因を特定する意味がないためです。
一般的な風邪の治療法は対症療法といって、症状に対する治療薬を処方します。のどの痛みには痛み止め(カロナールやロキソニンなど)、のどの炎症を抑える薬(トランサミンなど)咳には咳止め(メジコン、喘息用吸入薬など)といった形で患者さんの症状に合わせて主治医が処方を行います。量や頻度についても、基本的な使用方法を踏まえつつ、医師が個々に判断をします。
症状がひどい場合や、体力が落ちてそうな場合には抗生剤を処方することがあります。ウイルス性の風邪であっても、細菌性の風邪を合併する可能性があるためです。どのように処方薬を処方するかは医師の判断によりますが、患者さんのご意見も尊重しますので診察時にお気軽にご相談ください。
ただし、抗生剤を使用すると人間の体にいる良い細菌を殺してしまったり、薬剤耐性菌を生み出してしまったりすることもあります。特に薬剤耐性菌については、今後命にかかわるような感染症に罹患した際に、抗生剤が効かないというような事態にも繋がりかねませんので、正常な免疫力がある若い方であれば一般的な風邪は抗生剤を使用せずに対症療法としっかりとした休養をとる方が良いでしょう。
現在様々な感染症が流行っております。おなかの風邪からのどの風邪など様々な症状でお悩みの方がご来院されています。当院では気軽に相談できる保健室のようなクリニックを目指しておりますので、お気軽にご来院ください。
新宿内科 院長 絹川 千尋
公益財団法人日本産業衛生学会 指導医
一般社団法人 社会医学系専門医協会 指導医
日本抗加齢医学会 評議員
産業保健法法務主任者
産業医科大学 産業生体科学研究所 産業保健経営学 非常勤講師