クリニックブログ

健康診断について

当院では定期健康診断、雇用時健康診断の実施をしております。

忙しくて何度も来院いただけない方のために結果は郵送・メール送付の対応もしております。

定期健康診断・雇用時健診の項目としては以下の通りです。

・問診(自覚症状、既往歴、業務歴)

・医師による診察(他覚症状)

・身長

・体重

・腹囲

・視力

・聴力(1000Hz、4000Hz)

・胸部レントゲン

・心電図

・貧血(赤血球、ヘモグロビン)

・尿検査

・血糖検査(随時血糖もしくはHbA1c)

・肝機能検査(AST、ALT、γGTP)

・血中脂質検査(TG:トリグリセライド、LDLコレステロール、HDLコレステロール)

雇用時健診はこれに加えて就労可否判断を行います。

オプションの項目によっては対応できない場合がありますので、予約時にご記載ください。もし不安な場合にはお気軽にお電話いただければと思います。

また、スピード発行のオプションを追加しますと、血液検査のない健康診断の結果は最短で当日のお渡しをしております。

血液検査があるものについては翌日の結果お渡しとなります。

当院では胃のバリウム検査ができないため、協会けんぽの認定は受けていませんが、「どうしても今日中に健診結果が必要!」「予約がどこも取れなくて、就職先への結果提出が間に合わない!」という方のニーズに応えたく、健診項目をしぼってスピードにこだわって健診を行っています。

なお、スピードであっても胸部レントゲンは放射線診断の専門医がチェックをし、血液検査も国内最大手のSRL社に依頼をしておりますので結果についてはご安心いただければと思います。

なお、健康診断は受けっぱなしですと意味がありません。異常値があったら治療や精査を積極的に受けるようにしましょう。

当院の結果には医師による判定が記載されています。治療や精査が必要な方には医師がそのように記載をしていますので参考にされてください。

体は定期的なチェックが重要です。去年の結果と比べて大きな変化がある場合には特に要注意です。

当社では曜日限定で医師によるエコー検査も実施しています。ご希望の方はお気軽に受付までお問い合わせください。

TEL:03-6276-6233

新宿内科 院長 絹川 千尋

公益財団法人日本産業衛生学会 指導医

一般社団法人 社会医学系専門医協会 指導医

日本抗加齢医学会 評議員

産業保健法法務主任者

産業医科大学 産業生体科学研究所 産業保健経営学 非常勤講師

花粉症

当院でも花粉症の処方を希望される患者さんの来院が増えてきました。

花粉症は日本人の約4割が罹患していると言われています。おもに暖かくなってきて日産するスギ花粉によるアレルギー症状を花粉症と呼んでいます。

ただ、アレルギーの原因はスギ花粉だけではありません。ぶたくさやかもがやなどの植物、さばやカニなどの食物、金属やゴムなどの接触アレルギー、光アレルギー、薬剤、、、、様々なものがアレルギー要因となります。

主に血液検査によってアレルギーの程度を見ることができます。すべてを網羅するのは難しいので問診によってある程度の予想を立てて検査をします。また、一般的に多いとされている36項目のアレルギー検査が同時にできる検査もあります。(MAST36)

検査は採血で行い、結果は1週間程度で出ます。

原因が何であれ治療薬は変わらず、症状をもとに治療薬の選定を行います。

点鼻薬や点眼薬のような局所用の薬は即効性があり、副反応も少ないためお勧めです。皮膚のかゆみなど全身の症状があるような場合には内服薬が良いでしょう。

また、症状の強い方は併用します。

あまりに症状がひどい場合にはステロイド含有薬を使用することもありますが、副作用が強いため長期的な使用はお勧めできません。

同じ鼻の症状でも鼻づまりに効きやすい薬、鼻水に効きやすい薬、など薬の効果には差があります。一般的に抗アレルギー薬は眠くなるものが多いですが、最近では眠くなりにくい薬や逆に目が冴える薬も出てきていますので、眠気がつらい場合には相談してください。

アレルギーは世界中でも罹患者が多い病気のため、日々新しい薬が開発されています。花粉症は未治療の場合には治療をしている人と比べて生産性が10%低下すると言われています。生産性が低下するほどの症状ですと日常生活もかなり辛くなりますので、症状も副作用も我慢せずに積極的に相談をするようにしてください。あなたの生活と体質に合った薬をいろいろと試してみましょう。

新宿内科 院長 絹川 千尋

公益財団法人日本産業衛生学会 指導医

一般社団法人 社会医学系専門医協会 指導医

日本抗加齢医学会 評議員

産業保健法法務主任者

産業医科大学 産業生体科学研究所 産業保健経営学 非常勤講師

発熱の原因となる感染症について【百日咳】

新宿内科院長の絹川千尋です。

また新型コロナウイルスの変異株が発見されましたね。

対策は引き続き、ワクチン、手洗い、人込みを避ける、といった感染症予防になります。冬は空気が乾燥していて感染がしやすい時期ですので、より気を付けるようにしましょう。

さて、今回は発熱の原因となる感染症のうち百日咳についてお話します。

名前の通り、咳が特徴的な感染症になります。

私たち日本人は子供のころの定期接種に百日咳のワクチンが含まれていますが(3種混合ワクチンまたは4種混合ワクチンに含まれています。)、その効果は一生続くものではありません。10~12年くらいで効果が完全に消滅してしまうといわれています。そのため成人となってからかかる人も少なくありません。

【原因菌】百日咳菌

【症状】しつこい咳

熱や倦怠感などの症状はあまり強くありません。2週間以上続くしつこい咳が主症状です。子供の場合は重症化するのでワクチンを接種しますが、大人になると呼吸困難になるほどの咳はあまりみられません。ただ、咳の程度には個人差があり、症状の強い人では激しい咳で嘔吐してしまったり、長期間咳をし続けたためにろっ骨を骨折をしてしまう人もいたりします。

また、咳をするので人にうつしやすく、感染力は麻疹と同程度と言われています。ワクチンを接種していない小児が周りにいる場合には気を付けましょう。感染してから1~3週間くらいは人に移してしまうといわれていますので、長期にわたって気を付ける必要があります。

【診断】

咽頭ぬぐい液による遺伝子検査が主になります。罹患後4週間すれば血清の交代価測定が可能になりますが、その頃には症状も収まっているのであまり検査の意義がありません。

【治療】

マクロライド系抗生物質などの抗菌薬を用います。カタル期と呼ばれる早期の段階で治療を開始することで症状の遷延化や重症化を防ぐといわれています。それ以降では効果は劣りますが、周囲への感染防止のために内服をします。症状に対して鎮咳薬を使用すると少し症状が楽になります。また、咳による飛沫で周囲に感染させてしまうため、感染防止としても鎮咳薬を使用することは効果的です。

当院では診断用の検査キットはおいておりませんが、症状を聞いて臨床的に百日咳と診断して処方することがあります。

また、百日咳でなくともつらい咳はQOLを低下しますので咳止めを処方しますので、つらい症状でお困りの際はお気軽にご相談ください。

*ただし、最近咳止めが全国的に流通していない状況です。処方をしても薬局によっては在庫がない場合がありますのでご了承ください。

新宿内科 院長 絹川 千尋

公益財団法人日本産業衛生学会 指導医

一般社団法人 社会医学系専門医協会 指導医

日本抗加齢医学会 評議員

産業保健法法務主任者

産業医科大学 産業生体科学研究所 産業保健経営学 非常勤講師

インフルエンザ・コロナ罹患者が増えてきています

当院でインフルエンザ陽性の方が増えてきました。

同時にコロナPCR検査で陽性の方も増えてきています。

東京都の週次報告でもいったん落ち着きを見せていたインフルエンザの報告件数が増えてきているようです。

コロナ感染症に関しては

「インフルエンザ様症状で念のため検査をしたらインフルエンザではなくコロナだった」

「ちょっと風邪っぽいと思って検査したらコロナだった」

「帰省前に念のため検査をしたらコロナだった」

と様々な人がおり、症状の強度でコロナ感染症の判断ができません。

当院では15分で結果の出るPCR検査がありますので、不安のある場合にはぜひお気軽にご相談ください。

なお患者さんが増えてきており、現在18時以降のPCR検査については現在受け付けることができない状況です。

18時前にお越しいただくか、18時以降は抗原検査のみの実施となりますことをご了承いただければと思います。

よろしくお願いいたします。

新宿内科 院長 絹川 千尋

公益財団法人日本産業衛生学会 指導医

一般社団法人 社会医学系専門医協会 指導医

日本抗加齢医学会 評議員

産業保健法法務主任者

産業医科大学 産業生体科学研究所 産業保健経営学 非常勤講師

発熱の原因となる感染症について【風邪】

 発熱の原因となる感染症の原因となる細菌やウイルスには様々な種類があります。よく注目されるインフルエンザ、新型コロナウイルス以外にも数百種類以上のウイルスや病原菌が原因となり得ます。 しかし、一般的に言われる「風邪」については病原の特定を行うことはあまり推奨されません。病原に対する治療がないためです。 エイズやヘルペスなど、治療薬のあるウイルスであれば特定して治療薬をにつなげられますが、特定の治療薬がない感染症ですと原因を特定する意味がないためです。

 一般的な風邪の治療法は対症療法といって、症状に対する治療薬を処方します。のどの痛みには痛み止め(カロナールやロキソニンなど)、のどの炎症を抑える薬(トランサミンなど)咳には咳止め(メジコン、喘息用吸入薬など)といった形で患者さんの症状に合わせて主治医が処方を行います。量や頻度についても、基本的な使用方法を踏まえつつ、医師が個々に判断をします。

 症状がひどい場合や、体力が落ちてそうな場合には抗生剤を処方することがあります。ウイルス性の風邪であっても、細菌性の風邪を合併する可能性があるためです。どのように処方薬を処方するかは医師の判断によりますが、患者さんのご意見も尊重しますので診察時にお気軽にご相談ください。

 ただし、抗生剤を使用すると人間の体にいる良い細菌を殺してしまったり、薬剤耐性菌を生み出してしまったりすることもあります。特に薬剤耐性菌については、今後命にかかわるような感染症に罹患した際に、抗生剤が効かないというような事態にも繋がりかねませんので、正常な免疫力がある若い方であれば一般的な風邪は抗生剤を使用せずに対症療法としっかりとした休養をとる方が良いでしょう。

現在様々な感染症が流行っております。おなかの風邪からのどの風邪など様々な症状でお悩みの方がご来院されています。当院では気軽に相談できる保健室のようなクリニックを目指しておりますので、お気軽にご来院ください。

新宿内科 院長 絹川 千尋

公益財団法人日本産業衛生学会 指導医

一般社団法人 社会医学系専門医協会 指導医

日本抗加齢医学会 評議員

産業保健法法務主任者

産業医科大学 産業生体科学研究所 産業保健経営学 非常勤講師

インフルエンザワクチンについて

インフルエンザの報告件数が少し減ってきています。

しかし、依然として例年よりも報告件数は多い状況です。また、これから年末年始に向けて人の動きは活発となってきます。忘年会など飲食を共にする機会も増えてくることと思います。

飲食店では今は仕切りなども撤去しており、同席している人だけでなく近くに座った人が感染していた場合に移ってしまう可能性もあります。

インフルエンザの死亡者数は幼児と高齢者で優位に高いです。よって幼児と高齢者は2回のワクチン接種が推奨されています。

労働者世代などのある程度若い年齢層では死亡に至ることは稀ですが、人にうつしやすい病気なので、就業や学業などで同席した人に移してしまう可能性があります。

学業や仕事も生きる上では重要なものです。病気によって大切な試験や、重要な仕事に穴をあけてしまわないように、ワクチンを接種することをお勧めします。

なお、数年前にインフルエンザワクチンが不足して打ちたくても接種できないということがありました。

製造方法に問題があったようで、今後はこのようなことは起こりえないだろうというのが製薬会社の見解です。実際に、今年はインフルエンザの流行が早く、大きく流行しているのでワクチンの需要は高いですが、ワクチン自体は豊富に流通しています。

今から接種することで年末年始には抗体が付きますので、今のうちに接種することをお勧めします。

特に、帰省などで高齢者や幼児と会う予定のある方は自分のためでなく健康弱者のためにも接種をするようにしましょう。

新宿内科 院長 絹川 千尋

公益財団法人日本産業衛生学会 指導医

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日本抗加齢医学会 評議員

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産業医科大学 産業生体科学研究所 産業保健経営学 非常勤講師

発熱の原因となる感染症について【インフルエンザ】

先々週あたりから不穏な動きをみせていたインフルエンザの感染状況ですが、やはり急激な勢いで感染者数が増えています。

厚生労働省HP インフルエンザに関する報道発表資料 2023/2024より

インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスは今5類感染症なので全数把握(すべての医療機関が診断したら診断数を報告すること)ではありません。定点観測と言って、選定された一部の医療機関での診断数をカウントして、全体の感染状況を予測します。その停店当たりの報告数が東京は2倍近くになっています。

昨年の報告数がグレーのグラフですが、昨年と比較しても異常な報告件数です。

人の動きが活発になったて医療機関にアクセスしやすくなったことや、新型コロナ感染症の影響で発熱があればすぐ医療機関にいくという意識が根付いたことなども影響していると思いますが、すこし異常な状況です。これからさらに流行が本格化することが予想されますので早めにインフルエンザのワクチン接種、できれば2回の接種を行うようにしましょう。例年GWくらいまで流行が見られますので今から1回目の接種を行い、年明けにもう1回うつとベストだと考えます。

今咳止めなどの薬が出荷調整でなかなか手に入らない状況が続いています。インフルエンザは比較的咳などの上気道炎症状が少ない感染症ではありますが、それでも症状が辛い人もいます。熱や全身の倦怠感だけでもかなり辛い感染症なので少しでも軽症化、罹患リスクを下げるワクチンを接種しておいた方が良いでしょう。

インフルエンザも人にうつしやすい感染症です。罹患したら仕事や学校やは休んで人との接触は避けてください。

なお、インフルエンザの薬であるタミフル、リレンザなどの薬はまだ入手可能な状況です。罹病期間の短縮につながりますので診断されたら使うほうが良いでしょう。

当院でもインフルエンザの抗原検査キットをそろえて準備を整えています。

高熱、全身倦怠感、関節痛などの症状が出る場合にはかなりインフルエンザ罹患が疑わしいので、検査についてご横断ください。

新宿内科 院長 絹川 千尋

公益財団法人日本産業衛生学会 指導医

一般社団法人 社会医学系専門医協会 指導医

日本抗加齢医学会 評議員

産業保健法法務主任者

産業医科大学 産業生体科学研究所 産業保健経営学 非常勤講師

新型コロナウイルスワクチンについて

当院でも令和5年秋接種開始のコロナワクチンの取り扱いを開始しました。

初回と2回目の職域接種では28,000回、14,000人の接種を行いましたが、地域接種では自治体により割り当て数が決められておりますので、その割り当て人数以上の人には接種ができません。

また、渋谷区民以外の希望者にも接種することが基本的にはできません。

より多くの希望する方にお届けしたいのですが、当院では力及ばず、ご理解のほどお願いいたします。

現時点ですとまだ在庫がございますので、ご希望の方は渋谷区HPよりご予約をお願いいたします。

https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kenko/corona/corona-vaccine/yoyaku.html

ご予約には接種券番号の入力が必要ですのであらかじめ渋谷区に接種券の発行をしてもらってからご予約ください。

なお、接種当日は接種券(クーポン券)をご持参いただかないと接種ができません。

全額公費で無料のため、ルールが厳しいので、ご了承ください。

また、当院で使用するワクチンはファイザー社のワクチンです。モデルナ社や武田社の者ではございませんのでご了承ください。

今回の令和5年秋のワクチンはオミクロン株対応ワクチンになります。お盆以降流行しているEG.5(エリス)及び、先日日本で発見されたBA.2.86(ピロラ)にも効果があると言われております。エリス株およびピロラ株はこれまでのオミクロン株のスパイクたん白が30か所以上変位しているということで、WHOやアメリカCDCが監視下の変異株に指定しており、注視されています。

ただ、今までかかった方、ワクチンを接種されている方は比較的軽症の症状が多い印象です。ウイルスや細菌などは宿主が死んでしまうと生存できないため、進化の過程で徐々に毒性が弱まってきます。新型コロナウイルスもその段階に入ってきているのかもしれません。

とはいえ、これから感染症の流行する時期になります。

他の感染症のリスクもありますので、ワクチンで予防できる感染症であればワクチン接種をしたほうが良いでしょう。

副反応が心配な方もいらっしゃるとは思いますが、重要な日などにり患して体調不良となっては大変なので、あらかじめ予定できる副反応の体調不良であれば、休日の前日などに接種して備えたほうが安心できると思います。

なお、インフルエンザワクチンも用意しておりますので同時接種が可能です。今年のインフルエンザの流行状況はちょっと異常で、すでに流行の兆しが見えています。学級閉鎖になった学校もあると聞きました。

昨年度が非常に流行すると危惧されていたインフルエンザがそれほどでもなかったので、今年はもしかしたらインフルエンザが大流行するかもしれません。

コロナワクチンだけでなくインフルエンザワクチンも同時接種し、今年の冬を乗り切りましょう。

また、インフルエンザは自費診療のためクーポン券等は必要ございません。ご希望がありましたら2回接種も可能ですので、ご希望の方はご予約ください。1回目と2回目は最低でも1ヶ月明けたほうが良いと思いますので、受検など大切な予定を控えている方は今から1回目を打ちましょう。

新宿内科 院長 絹川 千尋

公益財団法人日本産業衛生学会 指導医

一般社団法人 社会医学系専門医協会 指導医

日本抗加齢医学会 評議員

産業保健法法務主任者

産業医科大学 産業生体科学研究所 産業保健経営学 非常勤講師

変異株について

昨日新型コロナウイルス感染症について東京都保健医療局が最新の統計データを発表しました。

東京都保健医療局HP
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kansen/corona_portal/info/monitoring.html

当院でもコロナ感染症の患者さんが少し減りましたが、やはり東京と全体としても減少傾向にあるようです。まだ減りだして1週間なので明確なことは言えませんが、、、

コロナウイルスではまた変異株が話題となってきています。新たな変異株BA.2.86(通称ピロラ)が話題になっていますが、今はまだ感染者の多くがEG.5(通称エリス)です。罹患してもまた別の株には罹患するので、ピロラが増えてくると、一旦感染状況が落ち着いてきてもまた流行が見られるようになるでしょう。

また、例年より今の時期にしてはインフルエンザの患者さんが多い印象です。例年であればまだこの時期がインフルエンザの患者さんはあまり見られませんでした。東京都の報告をみても患者さんが急に増えています。

東京都インフルエンザ情報

東京都感染症情報センターHPよりhttps://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/flu/flu/

昨シーズンはインフルエンザが大流行すると言われていましたが、実際にはそこまでの感染爆発は見られず、だらだらと感染者が散見する状況が長く続きました。そのため、医療現場でもいつまでもインフルエンザの検査を継続することとなり、その結果、夏も検査をするようになったために今まで見落とされていた夏のインフルエンザ患者が拾われるようになったという見方もあります。実際に例年より多いとはいってもそこまで問題となるような状況ではありませんでした。ただ、定点観測の結果をみますと、これから流行する可能性があります。

インフルエンザの場合、治療薬があり、薬を使用すると症状の続く期間を短くすることができます。感染症による発熱などの症状は様々な病原菌・ウイルスが原因でありますが、検査をして、陽性でも陰性でも治療が変わらないのであれば無駄な検査はする必要がありませんが、インフルエンザと判明すれば薬をつかえるので、インフルエンザの検査には意義があります。また、感染力も他の病原菌・ウイルスと比べて強い傾向にありますので、検査をすることで他人との接触について注意するきっかけになると思います。

また、インフルエンザにはワクチンがあり、一定の効果が見られます。当院でも来週よりインフルエンザワクチンを開始します。ご希望の方は当HPトップページのリンクよりご予約をお願いいたします。

新宿内科HP:https://shinjuku-naika.jp/

なお、検査は抗原検査ですので結果判定まで10分程度です。

内服薬はゾフルーザ、タミフル、吸入薬はイナビル、リレンザという薬があります。いずれも保険適用の薬で、検査陽性となれば使用することができます。(点滴もありますがクリニックでは使いません。)

咳や鼻水などの上気道炎症状はあまり強くなく、それよりも高熱、関節痛、激しい倦怠感などが特徴です。絶対ではありませんが、症状である程度の予想は尽きますので怪しいなと思ったらコロナだけでなくインフルエンザの検査も検討するようにしましょう。

新宿内科 院長 絹川 千尋

公益財団法人日本産業衛生学会 指導医

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日本抗加齢医学会 評議員

産業保健法法務主任者

産業医科大学 産業生体科学研究所 産業保健経営学 非常勤講師

発熱の原因となる感染症について【溶連菌】

発熱はしたけれど、コロナの検査が陰性となって一体これは何の熱なんだ?と不安になる方が一定数いらっしゃるのでしばらく熱をひきおこす感染症について触れていきたいと思います。

熱が出る病気は様々ですが(感染症だけでなく、虫垂炎などの腹部炎症や膠原病などでも出ることもある)一般的に多い感染症について本日は説明していこうと思います。

本日はまず溶連菌についてです。子供に多い感染症ですが、大人でもかかります。

のどがよく腫れるので、のどが腫れて高熱が出ている場合には溶連菌感染症の可能性があります。

【原因菌】溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)*略して溶連菌とよく呼ばれます。

【症状】

・38℃以上の発熱

・手足の発疹

・苺舌(赤くボツボツした舌)

・のどの赤み、痛み。扁桃腺が腫れ、膿がついたりします。

【検査】

喉をこすって検査する検査キットがあります。10分程度で結果が出ます。

【治療】

抗生剤内服(種類によって違いますが、7~10日程度内服をします。)

対症療法として、のどの痛み止め、解熱剤など

抗生剤は何でもよいですが、ペニシリン系(サワシリン、パセトシンなど)を使用することが多いです。ただし、ペニシリンアレルギーのある方にはエリスロマイシンなどを使用します。抗生剤は薬剤アレルギーを起こす人が一定数いますので、薬剤アレルギーによって使う抗生剤を変えます。

私自身も抗生剤の一部でアレルギー症状である薬疹が出ますので、抗生剤を使うときはその成分を含む抗生剤を避けて使っています。抗生剤でアレルギー反応を起こす方は割と多いので気を付けて処方しますが、予想がつきませんので、もし内服して薬疹などの症状が出ましたら内服は中止してすぐに当院までご連絡ください。

【まとめ】

溶連菌は抗生剤を飲めば治ります。ただし、決められた期間は抗生剤を必ずのむということがとても重要です。溶連菌で恐ろしいのは、そのあとに続発症が起こることがあるということです。途中で内服薬をやめてしまうと、関節炎や心臓の弁膜症につながるリウマチ熱や腎機能の低下を引き起こす腎炎が発症することがあります。いずれも適切な治療により回復する病気ですが、稀に後遺症が残る場合もあります。繰り返しになりますが、決められた期間は抗生剤を必ずのむようにしてください。

新宿内科 院長 絹川 千尋

公益財団法人日本産業衛生学会 指導医

一般社団法人 社会医学系専門医協会 指導医

日本抗加齢医学会 評議員

産業保健法法務主任者

産業医科大学 産業生体科学研究所 産業保健経営学 非常勤講師

クリニック概要overview

診療科目
内科、消化器内科、生活習慣病、健康診断、予防接種
住所
〒151-0053
東京都渋谷区代々木2-6-7 セイチビル6階
TEL
03-6276-6233
診療予約について
最寄り駅
新宿駅南口 徒歩1分
診療時間 土・日
8:30-18:30

○:8:30~18:00 △:8:30~12:30、13:30~17:30
休診:祝日

【最終受付時間】
健康診断は閉院時間の1時間前、内科診察は15分前です。