現在、COVID-19の感染者数が再び増加傾向にあります。
出展:chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mhlw.go.jp/content/001282915.pdf
国立感染症研究所によると、特にオミクロン株に関連する新たな感染者が報告されており、新たなオミクロン株の出現も懸念されているようです。これから夏休みも本格化して人の動きが活発になりますので混雑している場所ではマスクを着用するなど、気を付けたほうが良いでしょう。
また、後遺症については引き続き多くの相談を受けています。先日、広島で行われた第98回日本産業衛生学会でCOVID-19後遺症のシンポジウムをしてきました。一時よりは感染症としての対応も軽減されていますが、今でもCOVID-19の後遺症に苦しんでいる患者さんが多くいらっしゃいます。日本だけではなく、全世界で問題となっており、アメリカではアメリカ障害者法(ADA)や社会保障障害保険(SSDI)で障害認定されるようになっています。それほどまでに症状が強い後遺症だという事です。日本では障害としての認定はされていませんが、日常生活が送れない状態になったり、仕事を辞めざるを得なかったりする患者さんもいます。治療法については少しずつ効果のあるものは出てきているものの、すべての患者さんに効果があるわけではありません。合う治療法が見つからない患者さんは、後遺症に苦しみながら様々な治療法を試しているという状況です。
なお、後遺症発症のリスクが高い人もわかってきました。COVID-19後遺症(ロングCOVID)になりやすい人の特徴を以下にいくつか挙げます。
1. 重症度
重症感染: 重症化して入院を必要とした人、特に集中治療室(ICU)に入った人は、後遺症のリスクが高いとされています 。
2. 年齢
高齢者: 高齢者は後遺症のリスクが高いです。若年層と比較して回復が遅く、後遺症が残りやすいと報告されています 。
3. 性別
女性: 一部の研究では、女性がロングCOVIDにかかるリスクが男性より高いとされています 。
4. 基礎疾患
既存の健康問題: 高血圧、糖尿病、肥満、心血管疾患などの基礎疾患を持つ人は、後遺症のリスクが高いです 。
5. 健康行動
ワクチン接種状況: ワクチン未接種の人は、後遺症のリスクが高いとする研究もあります。ただし、ワクチン接種者も後遺症にかかることがあります 。
6. 喫煙
喫煙者はリスクが高いと言われています。
上記の中でリスクを意図的に抑えるにはことは難しいと思いますが、喫煙であれば今からでも対策が可能なものになります。また、罹患したら無理をせずきちんと休み、重症化しないようにしましょう。当院では有症状の人は隔離スペースでの待機ができるようにしています。検査結果もすぐに出ますので、人と会う用事がある時など心配になったらお気軽にご相談ください。
新宿内科 院長 絹川 千尋
公益財団法人日本産業衛生学会 指導医
一般社団法人 社会医学系専門医協会 指導医
日本抗加齢医学会 評議員
産業保健法法務主任者
産業医科大学 産業生体科学研究所 産業保健経営学 非常勤講師